受験で失敗する!?実は卒園後に困ることもある
子どものうちに英語力をつけさせようとプリスクールに入園させて、卒園後に困るケースがあることをご存じでしょうか。とくに、小学校受験をさせたいと思っている場合は心配になりますよね。ここでは、小学校受験をする場合に気を付けたいプリスクールの落とし穴とプリスクールに通う子どもがどのように進学に備えればいいのかを紹介します。
日本の受験に対応できない
プリスクールでは、幼児期から英語を学びつつ勉強の習慣を身に着けさせることができます。ただ、学習言語が英語なので日本語の問題を解くのが苦手になることが多いといわれています。たとえば、道路のイラストの横にある3つの空欄に「どうろ」と書くところ「ロード」と書いてしまったり、算数の問題文にでてくる「平行四辺形」や「公約数」といった日本語がわからず答えられなかったりするということがあります。
英語で聞かれれば答えられるけれど、日本語の単語がわからず問題が解けないのです。英語で勉強する環境に慣れてしまうと、日本語での学習が難しくなります。子どもをプリスクールに通わせている方で、卒園後に日本の小学校への進学を考えている場合は、意識して日本語の勉強もさせたほうがいいでしょう。
プリスクール卒園後の進学先は、せっかく覚えた英語を忘れてしまわないようインターナショナルスクールに通わせる方、日本の小学校に通わせつつアフタースクールやサタデースクールを活用する方などさまざまです。進路について決めかねている方は、いざという時に日本の学校も選ぶことができるよう日本語の勉強も取り入れておいたほうが無難といえます。プリスクール卒業後、インターナショナルスクールに進んだ場合、ほとんどのインターナショナルスクールは文科省認可の学校ではないため、日本の小・中学校卒業資格が得られません。
小学校5年生のタイミングで公立校に転校させて中学受験に備えたり、日本の大学に進学するためには海外の高校から帰国子女枠を狙ったりと、途中から日本の学校に通うルートもあります。どのルートを選ぶにせよ、日本の学校に通うのであれば日本語で勉強ができることは必要になってくるうえ、英語だけで学習しているとかなり難易度が上がります。あらかじめ、ある程度の準備をしておくことをおすすめします。
幼児教育からしっかりと!
幼児教育をやっているかどうか、幼少期に学習体験があるかどうかで、小学校の勉強に差が出ます。適切な幼児教育は子どもの記憶力を向上させ、想像力の発達、好奇心や集中力を養う効果があるといわれています。子どもが楽しみながら学ぶことのできる環境を用意して学習を支援することで、就学後の学習がとてもスムーズになります。プリスクールは英語を学ばせるのに最適な環境です。
ほとんどのプリスクールではショートコースとロングコース、1週間で通わせる日数などを選ぶことができます。幼稚園や小学校の受験対策コースのある幼児教育や、バレエ、スイミングといった体を動かすレッスンと併用する家庭も多いです。幼児教育では「子どもが楽しんで学ぶ」ということが大前提になります。子どもは一人一人に個性があり、好き嫌いや向き不向きがあります。
親が「こうでなければだめ」と指示しすぎると、自分で選択したり考えたりする力を奪うことになるうえ、強制されることで勉強が嫌いになってしまっては本末転倒です。スポンジのように新しいことをどんどん吸収する幼少期になるべく、いろいろなことを学ばせたいと思う親御さんは多いですが、子どもの様子を見ながらひとりひとりに合った教育環境を用意してあげてください。
日本語も英語もバランスよく学ぶことが大切
日本語、英語どちらの学校にも対応できるよう、幼児教育の環境は日本語だけ、英語だけという偏りをなるべくなくし、両方の言語に触れさせるようにしましょう。プリスクールに通わせていて日中英語だけの環境で過ごしているのであれば、自宅では日本語の勉強を取り入れてみましょう。
日本語学習の補完として通信教育サービスを利用している家庭も多いです。毎月いろいろな教材が届く通信教育サービスには、さまざまなラインナップがあります。シンプルでリーズナブルなものから、豪華で魅力的な教材がたっぷり届くものまでいろいろなサービスがあるので、気になる方は調べてみてください。日本の保育園や幼稚園に通っているのであれば自宅学習に英語教材を取り入れたり、映画やアニメを英語で視聴したりするのもおすすめです。
YouTubeやディズニープラス、ネットフリックスといったサービスで英語の子ども向け番組がたくさん配信されているので、子どもが好きなものを選んで一緒に視聴してみてください。自分が英語を話せなくても英語学習環境を作ることはできます。子どもと一緒に楽しく英語を学ぶことで親の語学力アップにもつながります。
子どもをプリスクールに通わせると、日本語の勉強が苦手になる子どもが多いのは事実です。日本の小学校に進学する予定であれば、日本語の勉強を平行して行うことをおすすめします。日本語の学習には通信教育や受験に備えることのできる幼児教室を活用するといいでしょう。進学先の選択肢が幅広く残せるよう、日本語と英語を偏りなく学ばせましょう。